「塾(じゅく)」と聞くと、今、通っている塾を思い浮かべるかもしれません。
「松下村塾(しょうかそんじゅく)」は、幕末期に吉田松陰が主宰した私塾。塾生は、高杉晋作や伊藤博文、山縣有朋などそうそうたるメンバー。日本大学法学部の前身である日本法律学校を創設した山田顕義も名を連ねています。
【Question/学習問題】
「なぜ松下村塾から社会を変える人物が輩出された?」
さあ始まりました!【ブラヒロシ】の今日のテーマは「松下村塾」。「なぜ松下村塾から社会を変える人物が輩出された?」。そのなぞを解くため、山口県萩市まで調査に行ってきました!
行きは都合によりJR山口駅から東萩駅行きの路線バスを利用。片道1800円。車窓には、のどかな景色が映ります。普通にSuicaで払えました。
東萩駅到着。荷物を預けようとコインロッカーを探すも見つからず。しかし貸自転車を発見。自転車を借りれば、荷物を無料で預かってくれるとのこと。
貸自転車屋さんからもらった地図を頼りに、いざ「松下村塾」へ。
【Outlook/見通し】
「松下村塾」に行けば、なにかヒントがつかめるだろう。
【Action①/調査】
「松下村塾」がある「松陰神社」に到着。まさか自転車(しかもママチャリ)で来るとは思っていませんでした。
「松下村塾」に到着。噂には聞いていましたが、「狭い…」。こんなところに幕末の志士たちが大勢入ったら、どうなってしまうんだろう?
そこに掲げられていた言葉、「万巻(まんがん)の書を読むに非(あら)ざるよりは、安(いづく)んぞ千秋(せんしゅう)の人たるを得ん」(たくさんの本を読んで人間としての生き方を学ばない限り、後世に名を残せるような人になることはできない)。なるほど、たくさんのインプット(読書)が必要なんだ!
急坂をえっちらおっちら上って、吉田松陰のお墓へ。松陰先生にお線香をあげられるなんて、感無量。
松陰神社で引いたおみくじの言葉は、まるで松陰先生から言われているようでした。
「睡生夢死(すいせいむし) ぼんやり生きるは男児の恥」。
あこがれの久坂玄瑞のお墓。幕末に生まれていたら、私も「尊王攘夷」運動に参加していたかもしれません。大河ドラマ「花燃ゆ」では、東出昌大が演じていました。ちなみに吉田松陰は伊勢谷友介。複雑な心境です。
吉田松陰を教育した玉木文之進の家(室内に入れます!)や、東京から移築された伊藤博文の家も。ちなみに玉木文之進は奥田瑛二、伊藤博文は劇団ひとり。
登り窯を発見。まわりは住宅地なので、今は使ってないでしょう。
久坂玄瑞の誕生地や松陰先生が囚われていた野山獄(のやまごく)跡。大河ドラマでえがかれていた、野山獄での他の囚人たちとの交流が印象的でした。
せっかくなので萩観光。城下町が素敵です。今回時間がなく、どこも寄れずに、チラッと見るだけ…でした。
久坂玄瑞誕生の地には、立派な石碑が。久坂玄瑞とツーショット。
萩の景観に合わせて、街中、落ち着いた色合いにまとめられています。
萩八景遊覧船に乗るのもいいですね。
萩城城跡も見学。なにもない印象。割引があるので、JAFカードお忘れなく。
貸自転車を返して調査終了。貸自転車がなかったら、ほとんど回れない距離でした。料金は5時間で1,000円。(1時間200円、電動アシストだと300円)
東萩駅からJR中国バス「スーパーはぎ号」で新山口駅へ。今度は観光バスタイプなので、快適でした。当然Suicaで支払い。(片道1,600円※割引運賃継続中)
【おまけ】新山口駅で、ハローキティ新幹線と遭遇。車内はどうなっているのだろう?乗務員の服装は?
【Action②/まとめ】
「松下村塾」を調査・考察した「なぜ松下村塾から社会を変える人物が輩出された?」の答えは…
その1.松陰先生には、膨大なインプット(読書)があった!しかし…その陰には玉木文之進のスパルタ教育が。
その2.立派な教室(施設)ではなく、教える人、教わる人の熱量が高かった!
その3.勉強は「成績を上げる」のが目的ではなく、「社会を変える」のが目的だった!
【Reflection/振り返り】
教師も児童(生徒)も、「社会を変えよう」と思って教えたり教わったりしている人はほとんどいないのが正直なところでしょう。良い学校に入れよう、入ろうというのが、ごく自然な考えでしょう。しかしそれでは、いつまでたっても「社会を変える」人を育てることはできません。
小学校社会科の目標に「社会的事象について、よりよい社会を考え主体的に問題解決しようとする態度」という文言が含まれています。今、「学んだ結果を教室の中に閉じ込めることなく社会生活に生かす」学びに向かう力の育成が求められているのです。
なので、「受験のための勉強」ではなく「社会を変えるための勉強」という意識のチェンジが、教師にも子どもにも必要なのではないか?という考えに至る「深い」調査結果となりました。
【そのほか】
※「松下村塾」「萩城下町」のほかにも「世界遺産」に登録されているところがあります。ぜひ見てみたいです。
※萩にはジオパークに登録されているところもあるので、地学の視点で調査しても面白いでしょう。(萩・明倫学舎2階に、ジオパークビジターセンターあり)
※飛行機や高速バスを利用して萩まで行く方法もあります。そんな遠くに行かれない!という方には、世田谷区の松陰神社に、模造「松下村塾」があります。
※夏場は海水浴を楽しめるところもあります。かき氷たべたい…。
※萩焼をじっくり見たかった…。