聖徳大学教育学部教育学科 教授
聖徳大学附属小学校 校長
三須 吉隆
今年の春も、6年間で大きく成長した子どもたちが、自らつかみ取った道へ羽ばたいていきました。近年は難関校への進学率が上がり、各方面よりご注目いただいています。他方で、本校の児童が持つ「進学実績」だけでは測ることのできない魅力を改めて感じる日々です。
ある集団討議での話です。司会進行役を名乗り出た児童がいました。相手を論破する術も意見も持っています。けれどその児童は、周囲の意見を汲み取り、集団としての答えを導く選択をしました。相手を敬いリーダーシップを発揮する姿に、「頼もしい」の一言でした。
新型コロナウイルスは私たちの日常を揺るがしました。しかし同時に、マイナスをプラスに転じる契機でもあったように思います。本校では突然の一斉休校の際、配信授業のほかに、各ご家庭と教員とが電話やオンライン上で毎日つながっていたことで、強固な信頼関係が結ばれました。また、生き抜く力を備える大切さに気づくきっかけにもなったのです。
今年本校は「生涯学び続けるチカラを育む6年間」という言葉を掲げました。従前からの教え方ではありますが、変化に富んだ時代を受け、改めて明文化したものです。
本校にお越しの際は、子どもたちの姿にもぜひご注目ください。礼法や明和班活動などを通じて礼儀正しい挨拶ができる聖徳っ子は、私たちの誇りです。人間形成に大切な6年間、頭も心も育む学舎(まなびや)として、どうぞ安心してお任せください。
質の高い学習問題を学び合いながら解決し、考えのプロセスを自分の言葉で書いていきます。「本物」の思考力・表現力を授業の中で育てます。
小笠原流礼法師範による週1回の「礼法」授業により、正しい礼儀作法を学びます。また、学年縦割りの「明和班」では、関わり合いの中で相手を思いやる心を学びます。
「本物」の文化・芸術に触れる体験や、子ども主体の集会活動によって、豊かな感性や社会性を育てます。学校生活の中で響き合いながら子どもたちは成長していきます。