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2025.10.05
【道徳】ニホンリスを訪ねて244㎞ [ 長谷川 洋 ]

9月28日(日)、野生のニホンリスが見られるという長野県の茅野市(ちのし)運動公園に行ってきました。聖徳大学附属小学校から約244㎞のところにあります。

野生のニホンリスを、市街地に近い公園に取り戻そうという活動をしている皆さんと共に、野生のニホンリスが生息できる条件を調べに行きました。

さっそく出会ったニホンリスたち。

茅野市運動公園には、ニホンリスのエサとなるオニグルミやクリ、ドングリ、松ぼっくりがふんだんにありました。エサを探す必要がないくらいです。

エサを食べているニホンリス

エサを埋めようと、地面を掘るニホンリス

ニホンリスは、冬の間も活動し続けるため、エサが少なくなる冬に向けて、秋のうちにクルミやドングリなどの木の実を地面に埋めて隠し、食糧を蓄えておきます。これを「分散貯蔵」といい、リスはさまざまな場所にエサを小分けにして埋める習性があります。

公園を視察して驚いたのは、公園を利用している人々が、ニホンリスに対して特にかかわりを持とうとしないことです。※写真を撮っている人はいました。
温かく見守る姿勢と、看板などを通して、ニホンリスが生きる環境を守ろうとしているところが、印象的でした。
また、公園の敷地外にリスが移動する気配は見あたりませんでした。※公園内の道路の横断はあるようです。


丁度、公民館で写真展もやっていました。地域に愛されている様子が、伺えました。

【茅野市運動公園に野生のニホンリスが生息できる理由をAIにたずねてみました】
茅野市運動公園に野生のニホンリスが生息できる最大の理由は、公園整備の際に、彼らのエサとなる木々や生息環境が意図的に、あるいは結果的に残されたからです。
ニホンリスが生息を続けるために必要な条件を満たしているため、全国的にも珍しい「市街地に近い公園での野生リスの生息地」となっています。

1. 公園整備以前からの継続的な生息
茅野運動公園が昭和51年(1976年)に整備される以前から、その場所にはニホンリスが生息していました。公園の整備が進む中で、リスの生存に不可欠な要素が失われなかったことが、現在まで生息が続いている根本的な理由です。

2. 生存に必要な資源の確保
ニホンリスの生息には、以下の3つの要素が欠かせません。茅野市運動公園はこれらを満たしています。

① 豊富なエサとなる樹木
リスが一年中活動し、特に冬に備えて貯食するためのドングリ、クルミなどの木の実をつける広葉樹が公園内に残されています。これがリスの命をつなぐ最大の基盤です。

② 隠れ家・巣の空間
公園内の樹木が彼らの巣穴や休息場所を提供しています。ニホンリスは樹上で生活するため、適切な高さと広がりを持つ樹林が重要です。

③ 安全な移動経路
公園という限られた空間の中で、リスが車道や人による危険を避けて移動できるような工夫がされていることも、生息を継続できている理由の一つです。実際、公園内にはリス専用の歩道橋(リス道)が設置されており、安全に道路を横断できるよう配慮されています。

このニホンリスの生息は、人と野生動物の共存の好事例として、長野県茅野市の広報や、動物園の観察会などでも注目されています。


【学習問題】千葉県(できれば松戸市)に、ニホンリスが生息を続けられる、市街地に近い公園をつくるには、どうしたらよいだろうか?

【AIによる回答】
千葉県、特に松戸市のような市街地に近い場所でニホンリスが生息を続けられる公園を新設または改修するには、野生のリスが必要とする「生活圏の要件」を人工的に、かつ継続的に満たすことが必要です。

茅野運動公園の事例(整備前から生息地だった)と、ニホンリスの生態を踏まえ、以下の3つの柱で環境を整備します。


1. 安定した食糧供給源の確保 🌰

ニホンリスは雑食ですが、食糧の大部分を木の実や樹の芽に頼ります。

  • エサとなる樹種の植栽: オニグルミコナラクヌギカシ類など、硬い木の実(堅果類)を実らせる樹木を公園内の広い範囲に計画的に植栽し、食物連鎖の基盤を作ります。松戸市の自然植生(アカマツ、コナラなど)を考慮し、特にクルミ類ドングリ類の供給量を増やします。
  • 多年性・多様な植生: リスは冬眠しないため、季節を通してエサが途切れないよう、さまざまな時期に実や芽をつける樹種を組み合わせます。

2. 安全な生活空間と移動経路の確保 🌳

ニホンリスは地上よりも樹上での活動を好みます。

  • 十分な樹冠面積: 樹と樹の間が離れすぎないように植栽し、リスが地上に降りずに移動できる**「樹冠(キャノピー)の連続性」**を確保します。
  • 巣穴・隠れ家の提供: リスが巣として利用できるよう、うろ(木の穴)のある古木を適切に残したり、人工の巣箱を設置したりします。また、貯食のための落ち葉や土壌のエリアも確保します。
  • 外部との分断対策(リス道): 周辺の車道や施設により生息地が分断される場合、茅野市のようにリス専用の歩道橋(アニマルパス)やワイヤーロープなどを設置し、安全な移動経路を確保します。

3. 人為的な干渉の管理と啓発 🚫

市街地に近い公園では、人との接触によるリスク管理が不可欠です。

  • エサやり禁止の徹底: 野生動物へのエサやりは厳禁とします。人慣れや偏った栄養摂取を防ぎ、本来の貯食行動を維持させます。
  • 利用エリアの分離: リスが多く生息するエリアを定め、立ち入り制限や静かな観察ルートを設定し、リスにストレスを与えないよう配慮します。
  • 地域住民への啓発: 看板や地域の広報誌などを活用し、「リスの生活を守るためのルール」(ゴミの持ち帰り、ペットの管理徹底、リスとの適度な距離の維持など)について住民や利用者に周知し、共存への理解を促します。

これらの施策を公園整備の初期段階から計画的に導入し、長期にわたって環境を維持・管理することで、松戸市でもニホンリスが定着・生息を続けられる可能性が高まります。


茅野市運動公園のように、ニホンリスが戯れる公園が身近にあるのって、本当にいいものですね。

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