聖徳大学附属小学校 校長 三須 吉隆
保護者の皆様におかれましては、日頃より本校の教育活動にご理解ご協力を賜り、心より感謝申し上げます。本年度も保護者の皆様をお迎えしての、全校そして各学年での舞台発表の「川並香順記念講堂」での開催を実現させるべく、公開方法・演出等に様々な角度から検討を重ね、準備を進めてまいりました。皆様のご理解とご協力のお陰で、昨年度に引き続き開催を実現させることが叶いました。
広い舞台を十二分に活用し、子どもたちの積み重ねてきた頑張りを披露し、やる気を発揮できる機会を得られたことは、本当に有り難いことでした。どの学年も、まさに全身で表現する姿が喜びと躍動感に溢れ、素敵でした。心から感動いたしました。それぞれの心の中には、その子ならではの達成感・満足感と新たな思い出が生まれたことと思います。

聖徳祭後は、皆でやり遂げたこの体験を、一人ひとりが「振り返り」にまとめました。
子どもたちの「振り返り」から、いくつか紹介いたします。


・ほんばんのとき、まえに1せきものこっていないくらいたくさんのせきにいるおきゃくさんをみて、きんちょうしました。(1年)
・れんしゅうのときよりほんばんのほうがこえがでました。えがおでできてうれしかったです。(1年)
・6ねんせいがよくできていました。わたしも6ねんせいみたいになりたいです。(1年)
・きんちょうしたけれど、パパとママがみえて、きんちょうがいなくなりました。おきゃくさんに大きなこえがとどいたらいいなっておもいました。(1年)



・みんなで一ぴきの大きな魚になった時、自分が本とうに海の中を泳いでいる気持ちになりました。(2年)
・私がスイミーから学んだことは、小さくても仲間や友だちと心を合わせることで大きな力になることです。これからも、みんなと明るく成長していきたいです。(2年)
・うたは元気よく大きな声で、さけばずにうたえて、おきゃくさんも楽しんでいて、ぼくも楽しくなり、すてきなスイミーができました。らいねんのげきもがんばろうとやる気がわいてきました。(2年)
・深呼吸をしたら、だんだん気持ちがおちついて、きんちょうもさがってきて、げきもやりやすくなって本当によかったです。(2年)



・れんしゅうをしていくうちに、さいごせんそうがおわって、ぞう列車でぞうを見れたのがどれだけうれしかったのかを考え、このお話をより深く考えるようになりました。二度とせんそうはやらないでほしいです。(3年)
・今回のげきで、話をしているときにちょっとした言葉でも、どんな気持ちがこもっているか考えることができるようになったと思いました。本番はお休みの子も多かったけれど、成功できてよかったです。これも、みんながちゃんとげきの流れを分かっていたからだと思います。(3年)
・本番では、行進も歌もおどろくほどうまくできました。おまけに、セリフも大きな声ではっきりと言えました。この時のために練習してきたかいがあったな、と思いました。この聖徳祭のおかげで、みんなと協力して一つのものを作るという事を学びました。これからの学校生活でも協力してすばらしいクラスをつくり上げていきたいです。(3年)
・昔このような戦争で命を落としてしまった人や動物のことを考えると、自分がこうしてごはんを食べられていることや健康に生きられていることが、どんなにありがたいことなのかが分かりました。今回のげきを通して、これからも命を大切にしようと思いました。(3年)



・「モチモチの木」で先生に主役はみんなと言われて、ぼくはがんばって練習をしたら、じさまや豆太のセリフもほとんど覚えていました。(4年)
・聖徳祭が終わった後、お母さんが「やっぱり聖徳は音楽が強いね」と言っていました。私も「そうでしょ!」と言いました。(4年)
・きんちょうしたけれど、お母さんたちを見つけて、お母さんたちが「がんばって」と伝えてくれて、すこしきんちょうがなくなりました。お母さんに「楽しむことが大切だよ」と言われたのでとても楽しくできました。(4年)
・ぼくは、練習中の「ふだんの授業や生活が大事」という先生の言葉が心に残りました。ふだんが力になっていると聞いて順番に一つずつたどってみたら、全てがつながっていたのです。とてもびっくりしました。(4年)



・よく先生方が言っている言葉、「5年生でひとつの作品」。毎回言っている先生もいます。その言葉がみんなの力になったと私は思いました。この成功した和太鼓演舞。1年に1回しかない聖徳祭にとても大きな思い出が残りました。来年は卒業演奏です。やりたい楽器は沢山ありました。来年も楽しみです。(5年)
・みんな一生懸命練習をしていて、「これなら本番もきっと大成功だ!」と思うことができました。そして本番、私は楽しみでたまりませんでした。発表が終わった時、私は「完璧にできた!」と思い、なみだが出そうでした。家に帰る時、父と母に「本当に上手だった。感動したよ!」と言ってもらえて、とてもうれしかったです。来年は、卒業演奏でもっと両親を感動させたいと思いました。(5年)
・総合練習で全くたたけずにいたことをクラスでやっと気づいたときに、クラスの心が一つになった気がしました。それから、力足もずっとやってもつらくならなくなるまですることによって、ぐんと成長できたと実感できました。ついに本番のとき、私は練習の全てを出し切って全力で太鼓をたたいたことを、きっとこの先もずっと忘れないと思います。一生に一度しかない太鼓は本当に本当に楽しくて、うれしい最高の思い出になりました。(5年)
・和太鼓の練習を重ねていくうちに、みんなで一つの作品を作るというとても貴重な経験が、とても大切なんだなと思いました。これは僕にとってもみんなにとっても大事な思い出になると思います。(5年)




・小学校最後の聖徳祭を心残りなく終わることができて心が安らぎうれしさで一杯になりました。私はこの聖徳祭を通して皆と力を合わせて物事を達成することの難しさと、達成した時の晴れやかな感情を学ぶことができました。(6年)
・僕がこの聖徳祭で学んだことは「努力はうらぎらない」ということです。(6年)
・練習では、いつも楽譜があるので正確に吹けていたのですが、本番は楽譜なしで演奏しました。そのため不安な気持ちで演奏が始まりましたが、いざ吹いてみると身体が覚えていて、これが「練習の成果」か、と思いました。(6年)
・私は今年の聖徳祭が今までで一番楽しかったです。その理由は、あきらめずに練習し続けたからだと思います。頑張った分、できたときの達成感がすごくありました。そして本番で成功したときはとても嬉しくなりました。これからも、あきらめずに練習し続けることを続けていきたいです。(6年)
これらの「振り返り」からは、活動に対するその学年ならではの捉え方、心の動き、「聖徳祭の舞台発表」を通して、子どもたちの心が成長している様子が伝わってまいります。「振り返り」は、やり遂げた自分に自信を持つことにつながり、次の学習に向けての意欲につながるものです。それぞれの学年の発達段階で、そして一人ひとりに、全く違う「振り返り」があります。正解は一つではありません。
これからも様々な学習後、「振り返り」を重ね、子どもたちの成長につなげてまいります。