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2024.10.02
#校長室だより
「努力はたし算、協力はかけ算」

聖徳大学附属小学校
校長  三須 吉隆

暑さも少しずつ和らいでまいりました。保護者の皆様におかれましては、日頃より本校の教育活動にご理解とご協力を賜り、心より感謝申し上げます。今、子どもたちは10月13日(日)に開催されます「聖徳祭」舞台発表に向けて準備・練習を開始し、大変意欲的に取り組んでおります。どうぞ皆様からも、激励のお声掛けをよろしくお願いいたします。

さて、少し視点を変えたお話をいたします。「たし算」において、1+2は3となります。では「かけ算」はどうでしょうか。私が好きな言葉の一つに、「努力はたし算、協力はかけ算」という言葉があります。この言葉は、子どもたち一人ひとりが学校生活を送るうえで大切なことを、一つのたとえとして簡単に表現したものでもあります。

まず「努力はたし算」ということですが、小さな努力でもそれを続けていけば、たし算の答のように確実に大きくなっていくということです。例えば、毎日計算練習のプリントを一枚ずつ三日間頑張れば、1+1+1で3になります。読書の時間に普段よりも厚くて難しい本にチャレンジしていく時、毎日5ページずつ読めば、三日間で5+5+5で15ページになりますし、そのまま読み続けていけば、厚い本でも必ず読み終えることができます。努力した場合は何も残らなかったということは決してありません。「努力はたし算」ですから、努力した結果は必ず増えていることを信じて頑張ることが大切です。

もう一つの「協力はかけ算」についてですが、かけ算はたし算より大きな結果になることがあります。例えば、三人が二ずつ頑張れば、2×2×2で8になります。たし算よりも大きい結果になります。しかし、もし一人でも協力しない人がいると、2×2×0で答は0になってしまいます。三人が協力していれば「8」なのに、一人でも協力しないと「0」になってしまいます。例えば昨年の「聖徳祭」舞台発表で6年生の「卒業演奏」が成功したのも、演奏していた6年生全員が同じ思いで力を発揮したからです。一人でも真剣に取り組んでいない人がいたとしたらどうなっていたでしょうか。成功するはずがありません。あるいは、真剣にやっていて失敗をしてしまった人に対して笑ったり責めたりしたりする人がいたらどうでしょう。そういう人は「0」の人です。

真剣な取り組みの失敗は尊いものです。また、皆で決めたことなのに、「自分一人ぐらいやらなくてもいいよ」「誰かがやってくれるからいいや」という気持ちの人はどうでしょうか。そのような「0」の人が一人でもいれば大切な練習は十分には進みませんし、周りの皆も悲しい気持ちになってしまいます。逆に、子どもたち一人ひとりが同じ思いで協力し合うことができれば、正に「かけ算」、大きな力となります。一人ひとりは小さな力でも、その力を結集すれば、一人ではできないこともできるようになります。

学校は、皆で学習したり遊んだりするところです。一人ひとりが努力することが大事です。そして、皆と協力することがとても大切です。さらに、失敗したり間違ってしまった仲間にも、「大大夫だよ、頑張って」と励ましてあげられる一人になって欲しいと心から思います。

「聖徳祭」舞台発表までの道のりは、その学びと経験を得られるかけがえのない日々です。子どもたちの活躍と成長を、大いに期待しています。

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