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2020.04.26
退屈が大切 [ 長谷川 洋 ]

中学時代に読んだ曽野綾子著『太郎物語―高校編ー』の中に、テレビ見たさに駄々をこねる小3の太郎に対して、父親がテレビを庭に放り投げて破壊してしまった場面がありました。


「テレビが無いと生きていられないかどうかやってみろ!」と父親。今の子ならゲームのことでしょうか?


テレビを失った太郎は、両親までテレビを見られなくなってしまったことに気づき、母親に謝ります。すると「私は、あんなもの見ているヒマないから、あったって、なくったって同じだね」と母親。


テレビの無い生活に慣れてはきたけれども、「ああ。だけど、退屈だなあ」と太郎。すると母親、「退屈が大切なんだよ。退屈にしときゃ、子供は自然に退屈でない方法を見つけるのよ」。退屈のあまり太郎は、仕方なしに本を読むようになった…という顛末(てんまつ)でした。


休校や外出自粛で、多くの子どもたちは「退屈」していることでしょう。その退屈を紛らすために、いろいろ与えるのも大事ですが、時にはあえて「退屈」させるのも、長い目で見て必要かもしれません。


先のエピソードの次の場面は、太郎がヒロイン五月(さつき)さんと藤棚の下で会う場面。聖徳小の藤棚も今が満開です。藤棚の下に皆さんの笑顔が見えるようです。

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