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2021.08.27
【ブラヒロシ】「うみ鳥っぷ」展で人と海鳥のつながりを発見 [ 長谷川 洋 ]

地域の魅力を発信する「ブラヒロシ」のコーナーです。今日は、千葉県立中央博物館で開催中の「うみ鳥っぷ」展の紹介です。

「海鳥の目線で、島や半島の魅力に出会う」というコンセプトの「うみ鳥っぷ」展。まず出迎えてくれたのが、「海底地形模型」でした。実は私、海底地形模型が好きなんです。

伊豆半島から始まり、伊豆諸島、小笠原諸島、そしてサイパン島やグアム島があるマリアナ諸島まで、海底でつながっている様子は圧巻です。

伊豆半島は、今の硫黄島あたりにあった海底火山が、100万年ほど前に本州に衝突してできたそうです。伊豆半島は地学的に、「世界のどこを探しても同種の例を見ない、地球上の特異点とも言える場所」なのだそうです。(参考 南方からやってきた風来坊-伊豆半島の成り立ち-

「海鳥の展示」と聞いて、海鳥の生態や体の仕組みなどを紹介した、「理科的」な展示だけだと思っていましたら、人と海鳥の関係についての「社会科的」な展示がたくさんありました。

なかでも気になったのは「混獲(こんかく)」についてです。漁師が魚をとるときに、あやまって海鳥をとってしまうことです。潜水して餌をとる海鳥は、網にかかってしまうことがあるのです。「混獲」が海鳥を絶滅の危機にさらしているそうです。

人々の活動と、海鳥の保護を両立させようとする活動があります。たとえば北海道羽幌町(はぼろちょう)の「羽幌シーバードフレンドリー認証制度」です。「混獲」を防ぐ配慮がされた水産物や、海に流れる農薬を減らす取り組みをした農産物を認証して、付加価値をつける取り組みです。認証を受けたオロロン米には、オロロン鳥と呼ばれるウミガラスのシルエットが描かれています。

これがウミガラス。

海鳥の観察には、沖合いを航行する長距離の定期航路を利用するのが、比較的安価で便利だそうです。船旅をしてみたくなりました。

新たなエネルギーとして「洋上風力発電」が注目されていますが、海鳥の繁殖地を奪うようなことは避けなければいけません。

ほかにも魅力的な展示がたくさんありました。

人と海鳥の関わりを通して社会を見る目が養えた企画展でした。コロナが明けたら、海鳥を見に島や半島へ旅したくなりました。
私はたっぷり2時間かけて見たのですが、同行した娘(小4)は30分くらいで見終わり、常設展へ飛び立ちました。

常設展も魅力がいっぱい。自然と歴史の両方楽しめるのが、中央博物館のよいところです。私のイチオシは、「房総の地学」のエリアです。チバニアン(地磁気の最後の逆転の痕跡)誕生のひみつがわかる動画に釘づけ。

巨大なマンモス・・・ではなくナウマンゾウの骨格標本から目が離せません。私はあと2時間はいたかったのですが・・・娘と一緒に「生態園」へ。

博物館から徒歩3分の「生態園」へ。房総半島の森林や草地が再現されています。この時期、虫除けは必須です。娘は14ヵ所、刺されたそうです。(入場無料)

生き物の採集はできません。生態を観察しましょう。

みなさんも入館料300円(未就学・小中学生・65歳以上は無料)、駐車場代は4時間まで300円(青葉の森公園北口駐車場)で楽しめる千葉県立中央博物館に行ってみませんか?※北口駐車場が満車のときは、西口駐車場か南口駐車場へ。

うみ鳥っぷ展は9月12日(日)まで。歴史エリア以外は、撮影可なので、子どもが扱えるカメラを持たせても良いかもしれません。※フラッシュ撮影不可、あと博物館でメモするときは、鉛筆かシャーペンで。

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