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2021.06.06
【国語/説明文】「固有種が教えてくれること」から学んだこと [ 長谷川 洋 ]

毎月1回開催の国語の学習会に参加してきました。教材は説明文「固有種が教えてくれること」(光村図書5年)でした。「固有種」とは何か、どんな経緯でそうなったか、そして現状や今後の課題についての説明文です。

「固有種が—」は、新しい教科書に変わって初めて掲載された新教材です。教科書用に書き下ろされたものだそうです。筆者は「ざんねんないきもの事典」で有名な今泉忠明(いまいずみ・ただあき)氏です。

「固有種が—」には図表・グラフ・地図・写真の資料が7つも掲載されています。学習指導要領に記される「情報活用能力」育成というねらいが反映されていることが伺えます。


学習会ではまず、文章全体の構成を理解するために、それぞれの段落がどのような働きをしているのか、また段落ごとの関係を把握しました。

次に、読者に興味を持って読み進めてもらうための、筆者の工夫について意見交換を行いました。

最後に、この説明文を通して児童につけたい「認識方法」は何かについて意見発表がありました。「認識方法」とは、この説明文以外の文章にも応用できる、汎用性のある視点のことです。(例:日本とイギリスを「比較」する視点)


説明文を読むと、どうしても「説明文の内容」に関心が向きがちですが、内容中心の授業になってしまうと「理科」「社会」の授業と変わらなくなりかねません。「国語」としての授業づくりを考えると、この「段落の働き→筆者の工夫→児童につけたい認識方法」という授業デザインは有効だと感じます。


ところで「固有種」とは特定の地域しかいない動植物のことです。裏を返せば、その地域以外では「絶滅」してしまったということです。今、ふつうに見られる動植物も、その地域以外で絶滅してしまうと「固有種」と呼ばれるようになるかもしれません。身近な動植物を「固有種」にしてしまわないよう、私たちは環境保護に努めていかなくてはいけないと思いました。

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