6年生の専科授業参観の図工(45分間)では、毎年「鑑賞」をとりあげています。校内の3階までの吹き抜けに、壁画『生命の樹(利根山光人)』があるので、この際、「聖徳の子」たちにじっくり見てもらおうという魂胆です。
まず、学習問題を提示しました。
学習問題「壁画『生命の樹』の中で、どんな出来事が起きているのだろうか?」
いきなり作品の意味や作者の意図をきかずに「出来事」を問うところがポイントです。
国語でいう「視点人物」を自ら定めてもらうため、各自「重要人物」と思われるキャラクターや、その根拠、そしてセリフをワークシートにかいてもらいました。今回の鑑賞は、国語的要素が強いので、【図工×国語】のコラボレーション授業といえるでしょう。
この児童はオウムを選びました。理由は「(母子像の)子どもの近くにいたから」。確かに赤ちゃんのそばにいて、何かを語りかけているかのようです。そしてセリフの中の「ぼくはこの世界の出来事を全て見たんだ」というところが秀逸です。オウムがこの物語のストーリーテラーというわけですね。他には「太陽」「ニワトリ」「赤ちゃん」「ミミズク」などが選ばれていました。
次は、グループごとに学習問題についての話し合いです。自分が選んだ「重要人物」の視点で、「壁画『生命の樹』の中で、どんな出来事が起きているのだろうか?」について意見交換します。
各グループの代表者に発表してもらいました。「赤ちゃんの誕生を、ニワトリが世界に知らせている」などの出来事が発表されました。
最後に学習感想です。授業前と授業後の「壁画」を見た各自の心情の変化について書いてもらいました。
「いままで飾りとしか思っていなかったけど、物語が感じられるようになった」などの感想がありました。
【所感】
1)各グループの発表内容を、正確に記録することができなかった。録音するか、すぐタブレットにメモしたい。
2)保護者の席を、1か所にまとめたほうがよかった。保護者に授業について説明しやすくするため。
3)子どもたちにiPadを使わせずに、私のiPadでワークシートを撮影する方法をとった。子どもたちが入力する手間がかからず、かえってスムーズだったと思う。
ちなみに授業のタイトル『生命の樹』を「読む」は、6年生 国語の、『鳥獣戯画』を読む(高畑 勲)をまねたものです。