校長 三須 吉隆
毎年この10月に開催しております聖徳祭。ご家族や外部のお客様も含め、昨年度も1600名を超える方々にご来校いただき、一年間の中で最もにぎわいと活気に溢れている公開行事です。しかしながら、7月にご連絡差し上げた後も新型コロナウイルスに関わる状況は依然として厳しく、関係する方々との検討を重ねてまいりましたが、聖徳祭を運営するにあたり、練習・準備を含め、「新しい学校生活様式」を継続することが困難であり、「三密(密集・密閉・密接)」を避けることができないことを鑑み、本年度は中止とさせていただきました。苦渋の決断でありました。
児童にとっては、大切な総合学習活動の場であり、楽しみにされている皆様も大勢いらっしゃったかと思いますが、子どもたちと皆様の、健康と安全を第一に判断した結果です。ご理解をいただきますよう、お願いいたします。
本年度の聖徳祭に関して、今私たちにでき得ることに全力を尽くそうと、現在準備を重ねております。
<舞台発表>・5年生和太鼓動画撮影・配信
・6年生卒業演奏動画撮影・配信
・吹奏楽クラブ動画撮影・配信
※配信の鑑賞方法等、詳しくは後日あらためてお知らせいたします。
※DVDによる販売も計画しております。
中心となって指導に当たっている、総合学習部主任・音楽科主任 檜貝道郎先生に、その思いを語っていただきました。
『本校において開校以来、毎年6年生が取り組んでいる「卒業演奏」、および平成16年度以降、毎年5年生が取り組んでいる「和太鼓演舞」。本校ではこの二つの学習活動は「音楽」としてではなく、「総合学習」として位置づけています。なぜなら、この二つを成し遂げるには「音楽」以外の要素が重要であり、それ無くしては成り立たないものだからです。では、「音楽」以外の要素とは何なのか。
一つ目は「協力」です。私が全体練習において最も大事にしているのは「セッティング」練習です。短時間で、美しく、なおかつ安全面に配慮して行えるようになるには、一人ひとりが手順を考えたうえで他者の行動にも配慮しなければならないのです。そのことが、必ず演奏にもよい効果をもたらしてくれるのです。
二つ目は「集中力」です。普段の練習の成果を本番で発揮するには、練習の仕方が重要になってきます。「練習のための練習」にならないように、極力同じ環境と緊張感のもとで練習を行います。そうすることで、普段通りの力が出せるようになるのです。このことは、いずれ誰もが経験する「受験」にも通ずるものがあります。
三つ目は「切磋琢磨」です。演奏楽器のオーディションや和太鼓のセンターの選抜は、毎回私たちを悩ませてくれます。そこには子どもたちの「熱い想い」が込められているからです。しかし、大事なのは結果ではなく、いかに「本気」になって取り組んだかだと思っています。一つのことに没頭して取り組むことの大切さは、もしかしたら今すぐには分からないかもしれません。しかし、数か月後、数年後に振り返った時、そこに何かしらの価値を見出してくれることでしょう。
本年度は新型コロナウイルスの影響で、練習時間の削減、密を避ける練習方法の工夫などにより、例年通りの活動ができていません。しかし、子どもたちは非常に前向きです。例年より、明らかに自ら時間をつくって自主練習する子が増えています。
今月中旬には、動画配信およびDVDの収録を行います。子どもたちの生き生きとした姿を見ていただきたいと思います。』
指導に込められた思いを受け止めてご鑑賞いただけましたら幸いでございます。