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2019.12.02
12月 ~「聖徳の子」の2学期を振り返って~

校長 三須 吉隆 
 
2学期もいよいよ総まとめの時期。12月となりました。振り返りますと2学期は、後半に保護者の皆様にご来校いただく公開行事が続きました。年間で最大の公開行事「聖徳祭」は文字通り大盛況でした。「聖徳祭」後の感想では、「美しい歌声がよく響いていた。この歌声は一朝一夕になしえたものではない。この聖徳祭のためでなく日頃から先生方が一つひとつのことをていねいにご指導されていることを改めて感じた。」など、あたたかいお言葉をたくさんいただきました。日々実直に積み重ねている教育実践の価値を深くご理解いただいていることを実感することができました。大変励みになりました。
また、本年度は文句なしの晴天のもとで実施できた「一輪車大会・長なわ記録会」でも、大勢の保護者の皆様にご来校いただき、お子様に対するあたたかい思いを実感することができました。ありがとうございました。皆様からの拍手や声援のお陰で、子どもたちが自分の持てる力を出し切れている姿がたくさん見られました。
 《天候の影響で延期されている「マラソン大会」は、12/4(水)に実施予定です。》
心理学の研究によれば、応援・激励を受けたアスリートは、より自らの限界に近いところまで努力する傾向があるとされています。精神的な部分がパフォーマンスに与える影響は大きいものです。子どもであれば、なおさらのことでしょう。場合によっては、自分の壁を越えて、さらに上の力を発揮できた子もおります。こういった「場」を最高のきっかけとして「自分はこんなにできるんだ!」と自信をつけた子もおります。

事実、「一輪車大会」に向けての強化練習期間中に、それまでなかなか乗れるようにならなかった子が見事に乗れるようになり、達成感に溢れていました。また、大きな盛り上がりを見せた「ラグビーワールドカップ 日本大会」の影響もあってのことでしょう、「長なわ記録会」では、クラスの結束を高める合言葉に『ワンチーム』を掲げるクラスもあり、こちらも盛り上がりました。「マラソン大会」に向けては、『苦しい時のもうひと頑張り!』の声掛けに響き、練習に励み、昨日の自分より一歩一歩強くなっていく自分の「心と身体」に気づけた子もおります。
自分自身の向上や成長を、様々な角度から肌で感じることができるのも、これらの行事に全校で取り組んでいる教育的価値です。

また、別の側面から見ると、子どもたち同士の応援にも聖徳の子らしさが光りました。他学年の応援をするときに、「班長、がんばって!」「○○さん、ファイト!」と自分の声援を届ける「相手」を強く思い、声をあげているのです。あんなにもたくさんの、学年を越えての相手を思う激励の声が発せられるのも本校ならではの光景です。喜びとともに聖徳らしさを実感しておりました。このような心遣いや応援の姿の原点は、やはり「明和班」でしょう。毎日お世話をする、お世話をしていただくという相互の関係と環境があるからこそ、他の学年の児童のがんばる姿に反応して、一歩深い気配りをしようとする気持ちが生まれてくるのではないでしょうか。この応援の姿も、食堂という環境での、「会食」と「明和班」という仕組みが、日々の学校生活にとけこんでいるからこそ育ってくる、「見えないカリキュラム」の「暮らしや社会で生きる心」を育む一例ではないかと思います。きっと子どもたちは、学校を離れた場所や、今後の人生の他の場面でも、これらの身につけた心を自然に発揮できることと思います。

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