校長 三須吉隆
保護者の皆様におかれましては、日頃より本校の教育活動にご理解とご協力を賜り、心より感謝申し上げます。振り返りますと、5月には保護者の皆様に感染症対策へのたくさんのご配慮とご協力をいただきましたお陰で、大きな公開行事である運動会を開催することが叶いました。6月は、本来ですと「望月校外学習」を実施する時期でしたが、コロナ禍の影響により、誠に残念ながら中止せざるを得ませんでした。子どもたち、そして保護者の皆様に、申し訳ない気持ちで一杯です。
そこで、この6月は、『今私たちにでき得ることに全力を尽くそう』と、子どもたちに可能な限り豊かな体験をと、「望月校外学習」に代えて、学校内や周辺でできる、策を講じた新たな活動・学習を様々な形式で実施いたしました。子どもたちは、できたことを純粋な気持ちで喜び、それぞれの心の中には新たな思い出が生まれたことと思います。
1年生は、「キャンプファイヤーごっこ」を体験いたしました。
2年生は、「食育」の一環として「命をいただく」「フードロス削減」を学びました。
3年生は、「学校周辺で大切にされている里山での自然体験学習」を実施いたしました。
4・5・6年生は、理科の発展学習「プラネタリウム」の体験学習です。クラスごとに、体育館に特設されたドーム型のプラネタリウムを体験いたしました。もちろん、初めての実施です。
この度の活動・体験を通しての各学年の様子を先生方に語っていただきましたので、ご紹介いたします。
第1学年
1年生では、6月の体育の時間を使って「キャンプファイヤーごっこ」をしました。目を閉じ、「かすがの森」のすぐ脇を流れる鹿曲川(かくまがわ)のせせらぎや、山にこだまするカエルの鳴き声を想像しながら、体育館で大きな輪になり、フォークダンス「タタロチカ」を踊ったり、「ジェンカ」の曲に合わせてじゃんけんゲームをしたりしました。最後は、運動会で練習したダンス「アロハ・エ・コモマイ」で大いに盛り上がりました。
第2学年
「命をいただく」「フードロス」という二つのテーマで食育の授業を行いました。授業の中で、子どもたちから「生き物の命が自分たちの栄養になっている」「感謝していただかなければならない」という意見が出ました。フードロス(食品ロス)については、初めてその言葉を知る子も多く、毎日多くの食べ物を廃棄していることに驚いていました。今回の授業を受け、「食べ残しをなくそう」と目標を掲げた子もいて、その日の会食でも残さず食べようと努力している子が増えました。
第3学年
3年生は、自然に親しむために「秋山の森(里山)」に行ってきました。住宅街から一歩入ると、別世界の竹林。ひんやりとした空気、清涼感あふれる香りに包まれました。竹の種類や特徴について教えていただいたり、実際に竹を切ったり、竹で作られたおもちゃに触れたり、沢山の経験をさせていただきました。散策中に、真っ白な植物やキノコ、カミキリムシやシオカラトンボを見つけ、大興奮の子どもたち。「自然の中は落ち着く」「生き物が住める地球にしたい」「自然を守る活動をしている方はすごい」と環境に対しての意識も高まり、想像以上に充実した時間となりました。
第4学年
「わぁ~!」暗闇の中、子どもたちが星を見たときのきらきら光る眼差しとドームに映る星が、会場全体をより明るくし、星空の世界へ誘われているような気がしました。興奮を抑え上空を見上げると、その先には自然の力でつくられた美しい星座の集まりが空いっぱいに映りました。鑑賞後、北斗七星や夏の大三角などを学んだ児童は、星座や宇宙の世界に興味をもち、早速空を見上げて88個の星座を探し始めました。
第5学年
5年生は、星と星座について4年生時に学習していたこともあり、体験前からプラネタリウムを楽しみにしていた子どもたちが大変多かったです。ガイドの方の話がはじまると、初めて耳にする星座の話を真剣な眼差しで聞いていました。鑑賞後、感想を訊ねると、「毎日の星座の動きを見られて面白かった」「いつも光で見えない星がたくさん見えて楽しかった」など、前向きな感想がたくさんありました。今回のプラネタリウム体験を通して、子どもたちは星や星座などに対する理解をより一層深めることができました。
第6学年
プラネタリウムが投影されると、6年生は「北極星」や「夏の大三角」をすぐに発見し、4年生の時に学んだ星や月の学習を生かして楽しんでいました。しかし無限に広がる星空にはまだまだ知らないことが多く、惑星やISS(国際宇宙ステーション)について解説されると、とても興味を持って聞いていました。投影後の質問コーナーでは、宇宙についてたくさんの質問が上がりました。2学期には「月と太陽」の単元がありますが、「早く学習したい」という声がたくさん上がり、学習意欲の高まりを感じました。
2学期も感染症対策に万全を期して、一つでも多くの豊かな体験を重ねられるよう、慎重に進めてまいります。