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2021.02.01
草野心平「春のうた」

3学期から始まった4年生のコース別授業の1コースを担当することになりました。1月30日(土)のコース別国語で取り上げた題材は、草野心平の詩「春のうた」でした。(出題の関係で、四角で囲んである箇所があります)

4年国語(光村図書)の上巻の冒頭に掲載されている「春のうた」。一見、春の訪れを喜ぶかえるの様子がほほ笑ましく目に浮かぶ詩・・・のように感じますが、「深く読み取る」国語の学習会に参加している立場上、もう少し踏み込んだ読解を子どもたちに求めました。

子どもたちに投げかけた問いは、次の通りです。

①「ほっ」は、何を表しているでしょうか。→全員一致で、「ア 安心した気持ち」となりました。

②「まぶしいな」と、感じたかえるは、どんな気持ちでしょうか。→こちらも全員一致で、「ア いい気持ち」となりました。

「それなら夜道を歩いていて、急に車のライトに照らされた時、きもちいいって思う?」との私の問いに、「いやな気持ち」と答える児童が現れました。

③「つるつる」は、何をあらわしているでしょうか。→「ア 水を見た感じ」が大半でした。最初は木の葉に乗っかっている水滴をイメージでしたが、対話を続けるうちに、池の水面のイメージに変化していきました。

一方、「イ 水が体に当たる感じ」を支持する児童は、 納得がいかない様子です。

美術教育の研究者、ローウェンフェルドは、子どもの表現を「視覚型・触覚型」に分類していましたが、読解でも視覚的に捉える子と触覚的に捉える子に分けられるのかもしれません。

そして一番の山場である④くもは、何を表しているのでしょうか。→「生き物のクモ」と捉える子は皆無でした。その理由は「くも」が「ひらがな」だから。

空に浮かぶ雲なら、「おおきなくもが、うごいてくる」の「くる」は、おかしいんじゃないか、という私の意見に対しては、「つるつるの水面に映った雲が、かえるの方にくる」のだという意見が返ってきました。

今回参考にしたのは、茨城大学教育実践研究 32(2013), 1-15「草野心平「春のうた」の解釈と授業実践」でした。

その中に紹介されている解釈に、—「おおきなくも」は、冬眠で蛙が絶食状態にあることとこの詩の最後が「ケルルン クック」という喜びの声になっていることからして、蛙にとって食料であると考えるのがよいだろう。—とあります。春の訪れとともに、冬眠から目覚めたかえるが、余韻に浸るひまもなく、すぐさま弱肉強食の世界に生きることになったことを表しているという予想外の展開でした。

①に戻ると、合わせて4つあるすべての「ほっ」は、果たしてすべて「安心した気持ち」でしょうか。の問いには、「最初は安心だったけど、後の方は発見した気持ちを表している」という答えが返ってきました。時間の経過とともに、「ほっ」の意味が変化していったということです。

普通の授業であれば、「音読して春の訪れを感じる」だけの読解になりがちですが、対話を重ねられる少人数のコース別授業ならではの深い読解が実現した授業となりました。

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