校長 三須 吉隆
保護者の皆様におかれましては、日頃より本校の教育活動にご理解ご協力を賜り、心より感謝申し上げます。コロナ禍前に開催しておりました聖徳祭は、ご家族や外部のお客様も含め、毎年1600名を超える方々にご来校いただき、一年間の中で最もにぎわいと活気に溢れていた公開行事です。本年度こそは、保護者の皆様をお迎えして公開できるようにと、感染症対策と公開方法、演出等に、様々な角度から検討を重ね、準備を進めてまいりました。皆様のご理解とご協力とご配慮のお陰で、分散開催という形ではございましたが、公開行事としての3年ぶりの聖徳祭を実現させることが叶いました。
子どもたちの積み重ねてきた頑張りを披露し、やる気を発揮できる機会を得られた有り難さが身にしみました。ご参観後は、アンケートへもご協力をいただき、ありがとうございました。集計が整いましたので、お知らせいたします。
自由記述欄にもたくさんの貴重なご意見をいただきました。深く感謝申し上げます。特に、今回独自の分散開催の運営方法に関して、多くのご意見をいただきました。保護者の皆様の目線からの、率直で厳しくもあたたかいお言葉の一つひとつは、有り難い宝物です。紙面の関係上、ご紹介することが叶わず、大変申し訳ありません。皆様のご意見を真摯に受け止め、今後の公開行事の運営方法の改善策に、大切に活かしてまいります。
中心となって指導に当たった、総合学習部主任・音楽科主任 檜貝道郎教諭に、練習から本番に至るまでの過程や、指導に込められた思いを語っていただきました。
実に3年ぶりに全学年が舞台発表を行った「聖徳祭」。子どもたちの発達段階に合わせて演目を設定し、一人ひとりの頑張る姿を見ていただくことができました。
1年生は久保田教諭の創作劇「エール」に取り組みました。実際に3年前に台風で倒れてしまった校庭の「アキニレの木」を題材とし、みんなで「アキニレの木」を応援していくという内容の劇です。練習開始当初はセリフの声が全く出なかった子どもたち。しかし、劇の内容を理解し始めるとしだいに堂々とした声でセリフを言える子が増えてきました。
2年生は有名な落語「寿限無(じゅげむ)」を劇で表現しました。大変なのは何といっても「寿限無」の名前を全部覚えなければいけないことです。名前を言うだけで膨大な長ゼリフになるのです。それをテンポよく、しかもたくさんのお客様の前で言わなければいけないのです。さらに、「寿限無の歌」は全員で歌います。しかし、子どもたちはしっかりと覚え、この落語の面白さを表現できていました。
3年生は「聖徳アラカルト」と題し、「ボディーパーカッション」「リコーダー」「歌」の3つに取り組みました。音楽専科で3年生の岡田教諭が中心となって練習を進めていきました。見どころは何と言っても子どもたちが工夫して考えた「ボディーパーカッション」でした。ただ叩くだけでなく振りも自分たちで考え、個性的な作品となりました。元気いっぱいに突き抜けるような歌声も印象的でした。
4年生は群読劇「モチモチの木」に取り組みました。役の子たちの演技も大事ですが、水笛やフクロウの鳴き声などの効果音や、リコーダーとピアノの演奏、歌、表裏で違う色のカードを使いながら群読していく子たち、すべてが一体となって物語の世界観を表現していきます。吉田教諭のご指導を受けていくうちに、日に日に表現力を高めていくその吸収力は素晴らしいものがありました。
5年生は和太鼓演舞「剣雷の舞」です。こちらも音楽専科の岡田教諭が中心となって、5年生皆で作ったリズムを組み合わせて1曲にまとめました。1学期から音楽の授業を使って指導を始めたものの、2学期になって体育館で初めて和太鼓を叩いた時には全く曲にならず、皆が危機感を覚えました。休み時間も使って自主練習に励む子が多く、そのかいあって本番では堂々とした演舞となりました。
6年生は卒業演奏「カルメン」に挑戦しました。実は「カルメン」は過去2回、聖徳祭で取り組んだことのある曲です。しかし、子どもたちの実情や適性に合わせて楽譜のアレンジや曲目を変更しています。さらに今回は、使用している楽器紹介を子どもたちが考えました。皆で協力してセリフや模範演奏を考えていく様子が見られ、最高学年らしい発表ができたと思います。
過去2年間は、動画収録、動画配信のみとなりましたが、やはり観客が入ると子どもたちの緊張感が全く違います。その緊張感が集中力を高めてくれて、どの学年も本番では一番いい演奏・演技ができていました。こういった力の高め方は普段の授業では決してできません。今回身につけた力は、人生の中で大きなプラスとなることでしょう。